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- ■ ラジカル酸素を使った歯周病治療器
最近、東北大学発のベンチャー企業が開発したとされるラジカル酸素を使った歯周病治療システム「ブルーラジカルP-01」が発表されました。
3%の過酸化水素水を基剤としてチップ先端に噴出し、さらに405ナノメートルの青色レーザー(半導体)を同軸で液中照射して基剤のH2O2に化学変化を起こしてラジカル酸素を生成するメカニズムです。※同社のホームページから引用
すでに厚労省の医療機器承認を取得。販売活動が始まったと言われていますので、注目されています。しかし、ラジカル酸素濃度は405ナノメートルの青色レーザーが吸収される罹患の部位や場所によって均一、一定ではなく強弱があると思われるので殺菌効果がどの程度なのかは説明されていません。ラジカル酸素と言えばヒドロキシラジカルとして普通のレーザー治療器以上の強力な殺菌効果があることが一般に認識されている事実です。
同じように活性酸素殺菌に着目した装置として、すでにLIH型エルビウムヤグレーザー:ライトタッチレーザーに応用されています。(この事実は、2015年大阪公立大学工学部で証明されました。)しかも、ライトタッチレーザーの場合は、薬剤を使わない水(精製水)とレーザーだけでチップ先端にヒドロキシラジカルを起こします。従って、あえて基剤になる過酸化水素溶液は不要です。もちろん、ライトタッチレーザーはう蝕治療で虫歯を削るだけでなくあらゆる治療においてラジカル酸素に加えて水中の窒素反応による長い持続的な殺菌作用によって二次感染や炎症を抑え治癒を早めています。あれから9年を得て、やっとラジカル酸素の応用によって重篤な歯周病治療にも有効であることが東北大学で証明されました。同じ殺菌メカニズムを持つライトタッチレーザーのラジカル酸素生成に関する白藤立先生、上林英夫先生のプレゼンがありますのでご興味のある方はこちらのボタンでご覧ください。
- ■ 糖尿病治療で歯周病が改善を示唆
歯科介入なしでPISAが改善(日本歯科新聞(2024年9月17日付の記事より引用)
糖尿病治療が直接的に歯周病を改善することが分かった。
大阪大学大学院歯学研究科と同大大学院医学研究科、同大大学院工学研究科らの研究グループによる。糖尿病と歯周病の相互関係のメカニズムの解明のほか、糖尿病初期からの医科歯科連携が期待される。
研究では歯科的な介入は一切行われずに、29人の2型糖尿病患者に対し、2週間の入院下での糖尿病歯周治療を実施。治療前後の全身的な臨床指標や歯科的指標を解析した。
その結果、血糖コントロール指標に加え、歯周病の炎症程度を示すPISAが改善した。
さらに、PISAの改善度の大小で被験者を2群に分けて比較解析したところ、大きく改善した群では糖尿病治療前のインスリン分泌能が優位に高値を示し、糖尿病性神経障害および末梢血管消化の指標も優位に良好な値となった。
同研究は科学誌『Diabetes, Obesity, and Metabolism』 にオンラインされた。
下の図は肥満と歯周病の関連性を示すメカニズムの流れ。
Metabolic disorders related to obesity and periodontal disease Journal compilation 2007 Blackwell Munksgaard
TOSHIYUKI SAITO &YOSHIHIRO SHIMAZAKI
- ■ 歯周病対策のスケーリングの欠点を補完する特殊レーザー考
歯周病の進行はプラークの付着から始まり歯周病菌が繁殖してバイオフィルムを作ります。さらにバイオフィルムの中から排出される毒素(エンドトキシン)が周りの健康な細胞組織に炎症を起こしながら最後には歯槽骨を溶かして歯そのものを失うことになります。
そこで、現在はこのような深刻な歯周病の悪化を食い止めるための予防的な措置として、機械的な歯根面清掃PMTC(スケーリングともいう)やエアースケーリングが行われています。
しかし、機械的な歯根面清掃PMTC(スケーリングともいう)に使われる、エアーフロー、エアースケーリング、超音波スケーリングなどを使ったバイオフィルム除去法は、バイオフィルムを破壊して毒素(エンドトキシン)をそのままポケット内外に飛散するという危険性があります。病状が進んだ歯周炎を持つ人から採取したプラーク中には、酸素の少ない所で発育する嫌気性菌のグラム陰性嫌気性菌が多く見られます。さらに言えば、嫌気性グラム陰性稈菌の破壊はリポ多糖(LPS)の毒素(エンドトキシン)が放出します。この毒素は250℃以上で30分かけなければ死滅できない厄介な蛋白質の炎症物質です。これをレーザーだけの高温で不活化するのはたとえ1パルス100μ秒と言えど有効な熱量として生体に使用することは危険すぎて絶対にありえないことです。
スケーリングで歯の表面を機械的にツルツルにしたからと言って、どうしてもほんとうに歯周病原菌を駆除しているのだろうかと疑問が残ります。
そこで、今回は最先端のエルビウムヤグレーザーによる完璧な歯周病予防治療を考えてみました。根面清掃はこのレーザーによる水のキャビテーションでざっと洗い流し、さらにバイオフィルムの破壊とともに高熱を使うことなく常温のままで嫌気性グラム陰性稈菌などの毒素も瞬殺するライトタッチの歯周病予防です。
まず、世界で初めてレーザーによる水反応で水中ラジカル酸素が発見されました。大阪公立大学電子工学科でライトタッチのLIH型(ハンドピースの中でレーザーが生成される)エルビウムヤグレーザーが水に照射されたときに強力なキャビテーションでラジカル酸素が水中に生成されることが証明されたのです。ラジカル酸素は一般的に強い酸化力で殺菌効果が出ることが知られています。しかし、この成分には選択性がないので健全な部分への侵襲もあるとされていますが、ラジカル酸素が生成されるのはチップ先端のみであり殺菌が必要とされる対照のみしか照射されないので侵襲性はなく安全です。さらに、同時にキャビテーションが衝撃波となってバイオフィルムをダイナミックに破壊除去します。このような非侵襲的な歯根面殺菌清掃ができるのはライトタッチレーザー以外にありません。
エンドトキシンを不活化しつつバイオフィルムを破壊し、さらに水の衝撃波で歯石や不良肉芽を除去殺菌ができるという多面的な根面清掃はライトタッチレーザーでしかできない最先端の歯周病治療です。ユーザの先生がライトタッチレーザーの歯周治療効果で驚く秘訣がここにあります。
ライトタッチレーザー臨床研究会
事務局長 後藤 哲男
- ■ ファイバーチップの照射限界~歯石除去にみる効果の真偽
ひとはだれでも既成概念というものに少なからず取り込まれていると言えるのではないでしょうか?
Er:YAGレーザーで歯石を除去することは、歯周病治療の要であることは疑いはありません。
そのためにレーザーの各メーカーはEr:YAGのみならず、ポケットの奥の方まで挿入できるファイバーチップを開発しました。それは深部まで挿入するために細くて柔軟性のあるチップであり、さらにチップ先端を円錐形にして、レーザーを水平的に放射できるところまでファイバーチップを進化させました。
ところが、歯根の形態はストレートとは限らず湾曲していることは言うまでもないのですが、ポケットに使うために開発されたファーバーチップは本当に歯根形態に沿って深いところまでレーザー照射できるのでしょうか?
それが、今回のアンチテーゼです。わかりやすくするために図をご覧ください。
レーザーのファイバーチップは石英で作られています。弾力性がありますが、曲げれば反発します。
始めに曲げた部分は根面にぶつかって反発力がありますが、2度目は根面ではなくて歯肉粘膜に接触し、チップの先端は歯肉の中に突き刺さります。レーザー照射中ならなおさらです。2次曲線は描けないのです。
したがって、ポケットの深いところを懸命に蒸散したいと思ってもレーザーは届かないのです。
メーカーのチップのきれいな写真を見てこれならと期待をいっぱい持つのが普通ですが、決して美しいものではなくなることも知っておくことが時間とコストを無駄にしないで済むと言うことになります。ひとこと加えさせて頂ければライトタッチレーザーはこのような無駄はありません。
ライトタッチレーザー臨床研究会
事務局長 後藤 哲男
- ■ ライトタッチレーザーでの保険加算シミュレーション
ライトタッチレーザーによる現実的な保険加算点数の応用についてお知らせします。特にう蝕無痛的除去について1処置40点が与えられています。
しかし、従来のエルビウムヤグレーザーでは臨床上で処置時間がかかることや消耗されるチップ経費が想定外にかさみ経済的に不均衡な問題となっています。本稿ではライトタッチレーザーのユーザー様からのご提案で切削力の高いライトタッチレーザーを用いたシミュレーションを行い、その現実的な有効性を確認しました。
当然ですが、消耗品のライトタッチレーザーの専用チップの費用も織り込み済です。結果として、損益ラインが想定以上に向上することがわかりました。
これができるのはLIH型エルビウムヤグレーザー、ライトタッチだからこそです。詳しい計算の詳細は以下のボタンを押してご確認ください。
【ライトタッチレーザーによる償却計画】
- ■ ブラジル・イビラプエラ大学での顎骨壊死組織のレーザー治療動画(経過観察)
教授 アナ・クララ・ファグンデス・ペドロニ先生(ブラジル サンパウロ・イビラプエラ大学)が
顎骨壊死組織をライトタッチレーザーで治療した様子の動画を公開しました。
ライトタッチレーザーは骨組織への熱影響がなく殺菌しながら除去治療をしました。 【YouTube症例動画】
■ 推薦します:池尻 良治 先生(ライトタッチ臨床研究会会長)
LIH型※エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)はレーザー発振体がハンドピースの中にありピュアなレーザー光が照射されます。またチップはダイヤモンドの次に硬い硬度のあるサファイヤが使われており折れる心配がありません。
LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)は水の爆発で削るため、硬組織・軟組織にも応用でき、照射部に熱が全く伝わりません。この為インプラント体に直接照射してもインプラントに問題は起こりません。
水へのエルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)照射はH2O2を生成するため殺菌効果が得られます。
軟組織へのエルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)照射はPDGF(血小板由来成長因子)を作ります。
強力なキャビテーション効果が得られるため歯周ポケット内・根管内の清掃に非常に有意義です。
※LIH型とは、レーザーインハンドピースの略称です。
池尻 良治 先生
医療法人宏和会 池尻歯科医院 理事長
ライトタッチレーザー臨床研究会会長
ライトタッチレーザー国際指導医
● LIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー “ライトタッチ”の効果
●虫歯除去について
虫歯を保険で治療できるLIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)です。
虫歯になった部分を優先的に素早く削りとりなおかつ熱を発生しないため歯髄組織を傷つけず殺菌効果が得られます。
エナメル質に亀裂が入らずミュータンス菌を即時に殺菌する力があることが最近わかりました。
歯科治療につきものの嫌な音(キーン音)も振動も感じないので 快適に虫歯治療ができます。
●切開能力について
LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)の切開は、ふつうのエルビウムヤグやEr.Cr;YSGGレーザーと違ってメスと同等以上のシャープな切開線を再現します。そのシャープさの原因はLIH型のレーザー発振機構とサファイヤチップにあります。拡散しないノイズのない独特のレーザー光が発振されるので、レーザーが当たったところ以外は傷をつけないからです。結果的に、傷の癒着が非常にはやく、術後の痛みも瘢痕も残りません。
口腔前庭拡張術 小帯切除に使用しても痛みもなく縫合の必要もありません。切開後の創面も痛みがないため御酢や醤油がついてもしみることがありません。H2O2を生成するための殺菌効果とPDGF(血小板由来成長因子)が発生するためだと思っています。付着歯肉が再生し歯周病の予防になります。
●口内炎効果について
免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足あるいは、特定の食べ物や薬物、金属刺激、補綴物の鋭縁、不良補綴物などが原因で口内炎ができます。炎症があり強い痛みを伴います。
こうした免疫低下による感染や様々な原因による口内炎に対してLIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)を照射することにより1度の照射ですぐに痛みもなくなり完治します。
1度のライトタッチレーザーの照射で治らないときは舌がん・粘膜のがんまたは薬による副作用を疑います。
●審美のべニア剥離の優位性について
きれいで透明感のあるベニアはホワイトニング以上に形態的にも美容性の高い修復術です。しかし、いったん接着されたベニアを剥離することはたいへんな困難な作業ですが、LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)のべニア剥離は非常簡単で術者のストレスを減らし、さらに熱侵襲がないことで海外でも評判です。最近は、ジルコニアの除去にも併用されています。接着したセメントの種類によってはうまく剥離しないこともあります。
●骨整形について
熱の侵襲のないLIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)による骨整形術は安全で短時間の処置を可能にしました。とくに自家骨採取にあたっては、熱の侵襲のない骨組織を採取できることや、骨整形後の治癒過程ではPDGFの分泌量が増えるために治癒期間が短くなる利点があります。通常の施術に比べて痛みもありません。
●インプラント治療について
近年、増加傾向にあるインプラント周囲炎の治療にも大いに効果があることがわかりました。LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)の殺菌効果と、インプラント体への熱の影響をまったく心配することなく周辺の不良肉芽や歯石を除去することが可能になりました。もちろん、床形成後のインプラント孔にこのレーザーシャワーを加えることで殺菌と骨芽細胞、PDGFの発生を図ることができます。
インプラント施術の成功はLIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)のよる口腔前庭拡張にかかっています。付着歯肉の再現ができ的確な口腔前庭を作ることによりインプラント周囲炎は解決します。
短時間での口腔前庭拡張術、小帯切除術にはおどろきです。
●根管治療について
根管治療で最も重要なことと言えば、根管内の完全な洗浄です。LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)の優れたキャビテーション効果により象牙細管内まで洗浄します。難治性の根管治療に大いに役立っています。
NDCの実績
LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)のメンテナンスの良さが素晴らしい。
LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)の最新情報を日々提供しています。
LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)の威力と安全性をいち早く理解し 少しでも多くの歯科医にその素晴らしさを説明し提供するよう努力をしています。
LIH型エルビウムヤグレーザー(ライトタッチレーザー)臨床研究会会長としてまた会員一同を代表して感謝申し上げます。
エルビウムヤグレーザーとは
歯科レーザーは半導体レーザー、ネオジウムヤグレーザー、YSGGレーザー、炭酸ガスレーザー、そしてエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーなど多くの種類がありますが、歯科治療に一番安全なレーザーとして挙げられるのはエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーと言われています。
そのエルビウムヤグ(Er :YAG) レーザーは、エルビウムドープ-イットリウム、アルミニウム、 ガーネットを活性レーザー媒体とする固体レーザーです。エルビウムヤグ( Er:YAG) レーザーは通常、赤外光である2940 nmの波長の光を放射します。その波長は、水分へのレーザー熱の吸収が最も高く、神経や組織侵害が少なく、場合によって無痛的な治療が可能になりました。
歯科用エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーは、一般論として虫歯を安全に除去するのに効果的であり、場合によって歯を麻痺させるための局所麻酔などを必要としません。そしてエルビウムヤグ(Er :YAG) レーザーは、歯科用ドリルの振動をなくすことで、歯に微小亀裂(ひび割れ)を引き起こすリスクがなくなり虫歯菌の2次感染も無くなります。少々時間がかかりますが、低出力設定で使用するとレーザーエネルギーは神経に鎮静効果をもたらし、その後、場合によって歯に痛みを感じさせることなく切削出力を高めることができます。とはいえ、今までのエルビウムヤグレーザーは相変わらず熱の侵襲が残るので使用上の注意が必要でした。
そして、2007年に世界で初めてLIH型(レーザー・イン・ハンドピース型)のエルビウムヤグレーザー(製品名:ライトタッチレーザー)が登場しました。このLIH型エルビウムヤグ・ライトタッチレーザーは、ハンドピースに連結されたわずか10cm程度の超小型のレーザー発振器からエルビウムヤグレーザーを患部にダイレクト照射することができます。それにより、減衰や位相の変化のないエルビウムレーザーとなって、水を併用すれば熱の侵襲がなくインプラントにも影響なく使えるという理論的にもっとも理想的なレーザーとなりました。
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Fig.1 エルビウムヤグレーザーの間接的切削理論 |
Fig.2 エルビウムヤグレーザー光吸収曲線 |
ライトタッチレーザーとは
● レーザーインハンドピースシステム(LIH型エルビウムヤグレーザー)
1920年半ばアインシュタインの「誘導放出理論」が発表され、その学説を基礎に様々な実験と創造が繰り返されて1960年にルビーレーザー、1961年に半導体レーザー、1964年炭酸ガス(CO2)レーザー、1965年ネオジウムヤグレーザー、そして1990年にエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーが完成されました。歯科では、炭酸ガス(CO2)レーザー、半導体レーザー、ネオジウムヤグレーザー、YSGGレーザー、エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーが多く使われています。これらのレーザーの中でも最近特に注目を浴びているのは虫歯でも歯肉でも根管治療、インプラント治療(欧米に比べて、一部を除き日本は承認されていませんが)に優れた効果を出すエルビウムヤグ「Er:YAG」です。しかし、従来エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーは、そのレーザーの発振源は発振装置自体が大きくてとても手に持てるものではないのでレーザー装置本体の中にありました。そして、その発振源から、レーザー光を患者さんの口腔内に照射するためには術者が手にもって正確な位置に照射できる自由度のある軽いハンドピースをつけなくてはなりませんでした。そのためにレーザーの発振源のあるレーザー装置本体から術者が手で保持するハンドピースまでおおよそ1.8メートルの長い紐のような光伝送用の内面反射仕上げの1mm以下の非常に細い光ファイバーを使う必要がありました。あるいは多関節アームといった伝送方式が必要でした。
しかし、ライトタッチレーザーはLIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーとして、従来の長くて伝送制約のある標準型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーを大きく進化させることに成功しました。それをLIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーと言います。LIHとは、Laser In Handpieceの略号です。つまり、レーザーが小さくて軽いハンドピースに入ったことを意味します。
従来の装置との違いは、
①LIH技術で本来のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーの水吸収特性が伝送制約がなくなり純粋となったことで組織熱侵襲性及び虫歯除去殺菌、歯肉切開スピードの向上や罹患組織の常温殺菌などが可能になったこと。
②ファイバーなどの長いレーザー伝送制約がないのでレーザー出力に減衰がないこと。
③LIH型のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーは、長い伝送ファイバーを使わないので、それが引っかかったり折れたりする心配がないこと。
④本来のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーの波長理論に基づく光特性が純粋に罹患組織に放出されることで、臨床医学的に非常に広範囲な治療効果が現れていること。
⑤硬い保護ケーブルで手首に負担がかかるファイバー伝送に比べ、LIH型のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーは、想像以上に軽く左上顎8番大臼歯に楽に届くハンドピースの操作性があります。以上、数多くの利点を挙げることができます。
● LIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)発振装置
硬組織・軟組織両用で世界初の伝送ファイバーや多関節アームを使わない進化したLIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーの発振構造です。
それはエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーの発振装置が誰も想像しなかったほどに小型化され、ハンドピースに直接連結されたことで、非常に効率的で正確な切削力および切開力を実現しました。LIHメカニズムは純粋なエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーの放出により、水分子への熱エネルギー吸収特性を最大限生かした熱侵襲のきわめて少ない治療が可能。
さらに、強力なキャビテーションによるプラズマ由来の活性酸素種の生成が実験で明らかになりました。これにより、LIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー“ライトタッチ”の殺菌メカニズムは従来の熱殺菌に頼るエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーを大きく進化させたと言えます。つまり、術者と患者さんに両者にとってさらに快適な診療になるでしょう。
● LIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー “ライトタッチ”の臨床上の3大要素
●プラズマ由来の活性酸素種の生成
今回の公的研究機関で行われたLIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー“ライトタッチ”を使った実験で新たなレーザー殺菌のメカニズムが発見されました。
水中低温プラズマで生成したラジカル酸素を栽培溶液に照射し、農薬を使用せず栽培中 に殺菌処理できる新しい殺菌技術として有望視されています。
密閉された純水中にライトタッチを照射した場合、温度は抑制されたまま化学的な変化により、水中プラズマによるラジカル酸素種が生成されていることを示唆する最新の報告がありました。
この密閉パック内の水中ラジカル酸素は、7日間残留したこともわかりました。残留の機序は、水中の窒素の活性によるものと考えられます。これは、従来のレーザーの殺菌は熱だけであるという概念を大きく変える発見です。
【参考】:白藤立教授・大阪公立大学 電子物理工学科
(液中レーザー誘起マイクロプラズマの化学反応解析)
●効率的な切開、剥離、切削、歯石蒸散
エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー発振源がハンドピースに連結されたので本来のレーザー特性が減衰されず、エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーの純粋な特性が最大限生かされることになりました。
とくに、軟組織切開切除においての熱侵襲は皆無といえるので切開面の治癒スピードは驚異的です。このチップは骨面の上、あるいは下に差し込んで歯肉骨膜はがしにも便利です。また、インプラント埋入前の骨頂の歯肉切開において、縫合後の切開線は翌日に驚くほどの治癒状態となり、一見、抜糸できるかのような様相を呈しています。熱侵襲なく歯肉切開ができるので、当然、瘢痕や退縮が出ないので審美的な効果が大いに期待できるチップです。(下の図を参照)
メスのような切開が可能なブレードチップ
浅く、深くの自在に切開や麻酔無しの切開も可能
●熱侵襲がないレーザー治療
今までのエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザは水吸収効果のみならず熱の侵襲作用があることは多くのエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーのユーザーが体験された事実としてあります。しかし、レーザーの発振機構が全くことなるLIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー“ライトタッチ”は驚異的な水吸収効果を示しています。結果的に、外部注水や照射対象近辺の水分に最優先で吸収消化されます。つまり、レーザーの熱(歯科レーザーの光線はすべてが赤外光線ですから大きな熱エネルギーがあります)が組織内部に到達しない点で他のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーを圧倒します。言うまでもなく、生体へのダメージや不可逆的な影響がないので、炎症もなく、痛みもなく、レーザーの細胞活性が健全に働いて驚くほどの治癒過程と快適さを生み出します。もちろん、生体組織に限らず、LIH型エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー“ライトタッチ”は注水のある限り歯科金属やインプラント、セラミックなどに熱変性層を作る侵襲性もありません。
参考症例動画
メスのような切開が可能なブレードチップ
ダイヤモンドに次ぐモースコード#9の硬さを持つサファイア製のライトタッチ オリジナルチップです。チップは一般的にエルビウムヤグレーザーの唯一の消耗品ですが、ライトタッチのレーザーチップは業界トップのコストパフォーマンスを誇ります。さらに、今までのエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーに使われている各種の光伝送ファイバーなどの長い伝送方式を使わないのでパワーの減衰がなく、非常に純粋なエルビウムヤグレーザー特性が持ち味です。メスと同等の切れ味で、なおかつ非熱殺菌で治癒が早く術後の痛みのなさを患者様と一緒に感動していただけます。これは世界でオンリーワンの軟組織切開用の特殊レーザーチップです。
NEW
熱侵襲がなく効率的なう蝕の除去
最新のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー“ライトタッチ”は、業界唯一、エルビウムヤグ(Er:YAG)の発振源をハンドピースに直結させた非常に特殊なレーザーメカニズムを採用しています。それにより、水へのエネルギー吸収が大幅に増幅して今までのエルビウムヤグレーザーを上回る切削効率を体感することができます。
インプラント周囲炎
海外の多くの論文ではインプラント周囲炎の増加傾向に歯止めをかけようとメンテナンスの維持とサステナブルな素材と設計製造方法に警鐘が鳴らされています。異物を人体に埋め込んで自然の歯と同じように使える代わりに細菌感染には免疫が十分でないと言われ、そのために歯周病以上にインプラント周囲障害が起きやすくなっていると言われています。日本も同じ道筋をたどっています。これは最新のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーライトタッチの海外の臨床動画です。
症例動画一覧へ
保険適用について
各種レーザー加算(エルビウム・ヤグレーザ)が算定可能です
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診療報酬項目 |
点数 |
① |
J 029-3 |
口腔粘膜処置(1口腔につき) ※1 |
30点 |
② |
J 200-4-2 |
レーザー機器加算1 |
50点 |
レーザー機器加算2 |
100点 |
レーザー機器加算3 |
200点 |
③ |
M 001 |
歯冠形成 3 窩洞形成 |
40点 |
④ |
M 001-2 |
う蝕歯即時充填形成 |
40点 |
⑤ |
J 063 |
歯周外科手術 ※2 4 歯肉剥離掻爬手術 5 歯周組織再生誘導手術 |
60点 |
※1 「レーザー応用による再発性アフタ性口内炎治療における基本的考え方」(平成30年3月日本歯科医学会)参照
※2 歯肉剥離掻爬手術または歯周組織再生誘導手術において、歯根面の歯石除去をEr:YAGレーザーを用いて行った場合に加算